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取引先から合理的理由なく取引停止された場合

公開 2015年9月19日更新 2026年11月2日

▶ 債権回収にお困りの場合

長年続けてきた取引先から、突然、取引を打ち切ると告げられた。理由を尋ねても合理的な説明はなく、未払の代金についても言い逃れを続けている。

本記事は、取引先から合理的な理由なく取引を停止され、代金も支払ってもらえずにいる会社の方に向けたものです。相手方の対応を待たずに、こちらから手続を進める方法を取り上げます。

このような取引先に対しては、弁護士名で「支払がなければ法的措置を講じる」と明示した通知書や警告書を送付し、それでも応じなければ、仮差押え・仮処分を行ったうえで裁判・訴訟を提起することができます。以下、順にご説明します。

取引先から合理的理由なく取引停止された

  • 仕入れをしたのに商品に難癖をつけられ代金を支払ってもらえない
  • 期限が来たのに何だかんだと言い逃れをして支払ってもらえない
  • 取引先が取引の中止をちらつかせて払ってくれない
  • 取引先が合理的な理由なく取引を打ち切る!と言っている

しっかりした商品を納入したのに瑕疵があるなどと難癖をつけてのらりくらりと代金を支払ってくれないとか、払うからと言いつつ全然払ってこないとか、逃げ隠れしているとか、面会謝絶して払ってこないとか、音信不通にしてしまうとか、いくら請求をしても、反応がない、あるいはのらりくらりとごまかして逃げる、という人間も世の中には存在しています。
彼らは何もしないことによって、請求をしていた人が、これはもう支払ってもらえない、、、と諦めることを狙っているのです。

そのような不誠実な債務者をそのままにしてはいけません。またむしろ、そのような取引先に対しては、引き続き誠実な取引先として約束をさせ、合理的な取引関係を構築する必要もあります。

通知書・警告書・内容証明郵便を送付する

当事務所では、そのような取引先に対しては、内容証明郵便(又は普通郵便)により、通知書や警告書を送付します。

弁護士名で通知書や警告書の送付を行う際には、「いつまでにいくらを支払え!」ということのみならず、「支払いがなければ法的措置を講じる!」、ということを文書で明示して通知をしますので、取引先としては、弁護士から支払督促があり、法的措置を講じると言われることによって、裁判になってしまうという危機感を抱き、支払いをするなどの対応をしてくるのです。

また、その過程で、難癖をつけて払ってくれなかった原因(商品の瑕疵とか反対債権の存在、こちらの業務の不適切性など)が存在しないことを認めさせることも必要です。

また、相手方から内容証明郵便を送付してきて、いろいろ言い訳をしてくるようでしたら、どんどん説明させて情報を引き出し、説明の矛盾や不合理性を突きましょう。いろいろ言い訳を言ってくるようでしたら、どんどん言わせることが重要です。その中に存在する矛盾が、後日、あなたが裁判所で主張する際の有力な証拠となるのです。

もっとも、相手方は内容証明郵便の受領を拒否する可能性もあり、また、受領した場合でもなんら返答をしてこないということも考えられ、このような場合には、②裁判所の手続きを利用していく必要があります。

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取引の停止に伴って未払となった売掛金・請負代金の回収は、次のページで総合的にご案内しています。

取引先からの合理的理由ない取引停止に対しては裁判・訴訟を提起しましょう

まずは仮差押え・仮処分

訴訟の前に相手方の財産が把握できている場合には、財産に対して仮差押えなどの保全手続きをすることが好ましいです。
不動産や預金や売掛金債権を差し押さえることにより、債権の回収が容易になりますし、この段階で、相手方も、債務を支払ってきたり、難癖をつけて払ってくれなかった原因(商品の瑕疵とか反対債権の存在、こちらの業務の不適切性など)が存在しないことを認めてくることが多いです。
裁判になれば敗訴して、最終的に支払わなければならなくなる可能性が高いからです。

特に、売掛金債権を差し押さえることは特に有効です。売掛金債権を差し押さえる場合、裁判所からその取引先の第三者取引先に通知が行くこととなりますので、第三者取引先に取引先と揉めていることが発覚し、あるいは信用状態に問題があると思われてしまいますので、事実上、債務の支払に迫られるためです。

もっとも仮差押等の保全手続きをするためには、裁判所に対して、一定の担保金を積み立てる必要があり資金負担が生じます。

裁判・訴訟の提起

仮差押え・仮処分を行っても、債務を支払わないような場合は、裁判・訴訟を提起するほかありません。

また、裁判・訴訟を提起した場合、慌てて応じてくる相手方もおり、また、相手方が裁判に出頭をした場合には、裁判の場において話し合いをする機会があり、場合によっては和解に至る可能性もあります。

むしろ、裁判所は、裁判・訴訟において判決を出すよりも、無理をしてでも和解をさせようとしてきますので、その和解の場で総合的な問題の解決を図ることができます。

取引先の難癖が根拠がないことや、その他の取引先の主張が不合理であることは裁判所が理解してくれ、貴社に有利な和解が成立することを目指す必要があります。

判決を取得し、請求をしてもなお支払いをしない場合には、強制執行という手続きが用意されていますが、相手方に財産が全くない場合や、相手方が財産を隠匿している場合には、効果が見込めない可能性もあります。その関係でも、判決よりも和解の方が好ましいというのもあります。

ただ、いずれにしても、裁判・訴訟においては、証拠が重要であり、手続きを有利に進めることが有利な和解につながりますので、契約書・資料などの書類の作成・保管や、相手方との会話の録音等を確保しておくことが好ましいといえます。

当事務所では、難癖をつけて支払わない取引先にどのように支払わせ、どのようにその主張を撤回させるかについて、どのような手法を採用すべきかについても、ご相談に応じています。

ご不明な点等がありましたら、いつでもお問い合わせいただけましたら幸いです。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件に関与し、2024年(令和6年)10月には最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得ました。現在は弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士を務めています。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継、企業法務及び不動産に関する法律問題

所在地 〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 森トラスト城山トラストタワー17階/電話番号 03-6435-8418/受付時間 8:00-21:00(土日祝含む)

本記事の記載は一般的な法律情報であり、個別の事案に関する法律上の助言ではありません。記載した経歴は事実の記述であり、個別の事件の結果を保証するものではありません。

著書

非上場会社における少数株主対策の手法と実務
『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』(日本法令)
中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策
『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社)
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