ファクタリングをお金がなくて支払・返金・送金できなくなってしまった!解決方法は?

ここ数年で、『ファクタリング』という資金調達方法は大きく浸透するようになりました。

ファクタリングがここまで浸透したのは、その資金を調達するまでのシステムの特殊性にあります。

日本では掛取引がまだまだ主流であり、中小企業ならばどこでも売掛金を持っています。

そして、ファクタリングではその売掛金をファクタリング業者に売却して担保にすることで、ファクタリング業者がお金を貸してくれるのです。

売掛金さえあれば、たとえ自社が赤字でも現金を調達できるファクタリングは、非常に画期的な資金調達方法であると言えます。

しかし、そんなファクタリングもメリットばかりではありません。

例えば、せっかくファクタリングによって資金を調達したのに、その後「ファクタリング業者への返済ができなくなってしまった」というようなケースも発生しえるのです。滞納です。

このような場合、ファクタリング業者から売掛先へ債権譲渡通知が送付されてしまったり、ファクタリング業者に訴えられてしまう可能性もでてきてしまうため、しっかりとした対処が必要となります。

そこでこの記事では、ファクタリングを支払期日に支払えなくなってしまう理由や、債権譲渡通知を送付されないための対処法などの情報を徹底解説していきます。

支払・返金・送金が困難となる理由は2社間ファクタリングの特徴にあり

そもそも、なぜファクタリングにおいて、売掛債権を売却するのに、資金を調達した後に支払いが困難となってしまうのでしょうか。

それは、『2社間ファクタリング』の特徴にあります。

そこで、まずはその特徴を確認していきましょう。

2社間ファクタリングの特徴

『2社間ファクタリング』はファクタリングの取引システムの一つであり、ファクタリング業者と利用企業の2社間で契約を締結する事を指します。

2社間ファクタリングの最大のメリットは、「債権譲渡通知が不要」という点にあります。債権譲渡通知を行わない2社間ファクタリングは、売掛先へバレることなくファクタリングを利用し、資金を調達できるのです。

ただし利用企業は、ファクタリング業者と「売掛金の回収代行業務を行う」という形で契約を行うため、如何なる理由があったとしても、決められた金額を期日にファクタリング業者へ支払わなくてはいけない義務が発生する事となります。

そして、この際に発生してしまうファクタリング業者への支払いの義務が、後々大きなトラブルを招いてしまう可能性があるのです。

売掛金が入金されるのに支払いが困難となってしまう理由は?

2社間ファクタリングを利用すると、利用企業はその後振り込まれる売掛金をファクタリング業者に支払う義務が発生します。

しかし、そもそもファクタリングの支払原資は売掛先が負担するので、利用企業は、極端な話振り込まれるお金を右から左へ移すだけで何の問題も取引は終えることができるはずです。

では、なぜ支払期日に支払えなくなってしまうのか?

それには主に以下のような理由が考えられます。

支払期日に支払・返金・送金ができなくなってしまう理由

売掛金が取引先から振り込まれない

そもそも、売掛金とは期日通りに支払ってもらえるという保証があるものではありません。

売掛金の支払いがずれ込む事は決して珍しくなく、売掛先企業の財務状況によっては回収が困難になってしまう可能性も十分にあります。

掛取引にはメリットもありますが、経営者にとってはリスクも大きい信用取引なのです。

そのため、大変致し方ないことですが、自社に全く原因がなくとも売掛先次第で売掛金の入金が遅れてしまい、結果的にファクタリグ業者への支払いが滞ってしまうケースもあります。

使い込んでしまう

本来ならばファクタリング業者へ渡さなくてはいけない売掛金ですが、その売掛金を使い込んでしまうケースも決して珍しくありません。

資金が潤沢にある大手企業ならば別の話ですが、中小企業や個人事業主は資金繰りに悩んでいる方が非常に多いです。

それこそ、中には自転車操業に近い状態で経営を行っている企業もあります。

例えば、従業員の給与の支払いが滞っていたり、他の債権者から取立てがあったり、納品元への支払いをしなければ部品や材料を納品してもらえないなど、「この支払いができないと、事業の継続が困難になるかもしれない・・・」というような危機が訪れたとしましょう。

そのような資金繰りの危機に、それを乗り切れるだけの資金が手に入ったならば、「まずは当面のリスクを避けたい」と考える事も仕方のないことかもしれません。

ただし、どのような理由があろうとも、やはり使い込みはしてはいけないことです。

当然ですが、支払期日までに代わりの現金を準備できなければ、大きなトラブルへと発展してしまう可能性が高くなってしまいます。

支払期日に支払・返金・送金ができなくなってしまった場合どうなるのか?対処方法は?

支払い期日に支払えなくなってしまう理由は様々です。

売掛金の入金の遅れや、事業を継続していくための使い込みなど、それぞれ異なってきます。

勿論、致し方のない部分はあるかもしれませんが、いずれにしてもファクタリング業者への支払いを避けることはできません。

場合によっては、即日に債権譲渡通知を取引先に送付されるケースもありますので、早急に対処法を考える必要があります。

いち早く専門家へ相談をする

まず第一に、期日になっても支払いが困難な状況にあったとしても、それをファクタリング業者へ相談するのはやめましょう。

ファクタリング業者の中には、闇金のような怖い業者も非常に多くあるのです。

それこそ、ファクタリング業者に有利になるような公正証書の作成を強要したり、それを拒否すれば、場合によっては帰宅をさせてくれなかったりするケースもあります。

ですので、まずすべきなのは支払いが困難になった事が発覚した時点で、より早く弁護士などの専門家へ相談を行うことです。

法律の専門家へ相談する事により、自分がどのように行動すれば状況が改善するのか知る事ができるようになります。

また、本来支払うべき売掛金を使い込んでしまった場合には、ファクタリング業者に損害を被らせた事で『横領罪』に問われてしまうケースも考えられます。

場合によっては執行猶予が付かない懲役刑を科せられる可能性もありますので、手遅れになる前に少しでも早く弁護士へ相談を行ったほうがいいでしょう。

回収のためなら手段をいとわないファクタリング業者

支払えなくなった利用者側にも、沢山の言い分があるかもしれません。

しかし、支払いを行ってもらえないというのは、ファクタリング業者からしても重大事件なのです。

そもそも、ファクタリング業者側に過失があるわけではなく、それなのに急に「支払いができなくなった」と言われても納得しないでしょう。

また、利用者側に『売掛金の入金の遅れ』などの正当な理由があったとしても、ファクタリング業者からすれば「お金を隠している!」としか思いません。

そのような状況にまでなると、ファクタリング業者はお金を回収するために行動を激化していきます。

例えば、親族や取引先へ問い合わせるのは勿論の事、お金を回収するために事務所へおしかけたり、時には1日に50回以上電話をかけてくることもあります。

ここまでくると、売掛先へファクタリングの利用が知られるどころではありません。それ以上の多大な迷惑が、売掛先にかかってしまう可能性があるのです。

勿論、それだけ迷惑をかけてしまえば、取引を停止されてしまうのは目に見えています。

これほどまでに事態が悪化する前に、弁護士などに相談し状況の改善を図っていかなくてはいけません。

債権譲渡通知が売掛先・取引先に送付された場合のリスク

そもそも、ファクタリングを利用する際に『2社間ファクタリング』を選択するする方のほとんどは、「売掛先にファクタリングを利用した事を知られたくない」と考えているでしょう。

しかし、期日に支払いができない場合は、結局は債権譲渡通知書を売掛先へ送付されてしまいます。

高い手数料を支払ってまで2社間ファクタリングを選んだ意味がなくなってしまうのです。

また、ファクタリング業者が債権譲渡通知書を送付するのは、売掛金を全て供託する目的もあります。

売掛金の供託が成立してしまうと、自社には今後全く売掛金が入ってこなくなってしまう可能性もあるのです。

そこまで状況が悪くなってしまうと、会社へのダメージは計り知れません。

そのようなリスクを回避するためにも、債権譲渡通知の送付はなんとしても阻止しなくてはいけません。

債権譲渡通知書を送付されないための最善の対処法とは?

とはいうものの、ファクタリング業者からファクタリングを受ける場合のほとんどのケースでは、売掛債権の債権譲渡通知書に押印することを求められます。

そのため、結局のところは債権譲渡通知書を送付するか否かはファクタリング業者に委ねられるのです。

ですのでまず大前提として、支払期日にしっかりと売掛金をファクタリング業者に入金する事が、ファクタリングを利用する上でリスクを回避するための重要なポイントとなります。

かといって、場合によっては支払いが困難になる事もあるでしょう。そのような状況では、問題を先送りにする事が一番良くありません。

まずは、なんにしても一人悩むのではなく、その問題に詳しい弁護士などに相談を行うことです。

ファクタリングの手数料の高さは全く別問題

ファクタリングの手数料は非常に高いです。

特に2社間取引に関しましては、『20%以上』の手数料を取るファクタリング業者も珍しくありません。

利息換算すれば、高利も高利です。

利息制限法違反の可能性も感じるため、中には「そもそも違法なのだから、何をしてもお互い様では?」と勘違いする方もいらっしゃいます。

しかし、その考えは大きな間違いです。

そもそも、利息制限法はファクタリングには適用されないため、「ファクタリング業者が違法行為を行なっている」というわけではないのです。

そのため、もし仮にファクタリング利用者が支払いをしなかったりするならば、ファクタリング業者は当然のようにしかるべき処置を取る事となります。

ファクタリング業者の手数料が高すぎる事は全く別問題であり、それでファクタリング利用者の支払い義務がなくなることは絶対ありません。

まとめ

一見すると、取引先に知られずに現金を手にできる2社間ファクタリングは、非常にメリットの多い資金調達方法のように感じます。

しかしその反面、後々に支払いが困難となり売掛先へ債権譲渡通知が送付されたり、ファクタリング業者から激しい回収が行われてしまったりし、売掛先へ多大な迷惑をかけてしまう危険もあります。

そのようなリスクを回避するためにも、もし万が一ファクタリング後に支払いが難しくなってしまった場合には、より早く弁護士に相談し、問題の解決に当たらなくてはいけません。

また、弁護士にも専門分野があるため、できるだけファクタリング事案を多く取り扱っている弁護士を選択することをおすすめします。

ファクタリング事案の経験が豊富な弁護士ならば、どういうファクタリング業者がどういう対応をしてくるかを把握し、未然に被害を防げる可能性が高くなるからです。

ファクタリング業者への支払いができなくなったとしても、決して諦める事はありません。

しっかりとファクタリングに特化した弁護士を選定し、状況の改善を図っていきましょう!

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    ABOUT US
    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
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