刑事告訴とは?流れや対応を分かりやすく解説!

犯罪行為をした場合、被害者側から刑事告訴されることがあります。

テレビや新聞などで、「告訴」というワードはよく見かけますが、実際どういうものなのか詳しく知らない方は多いのではないでしょうか。

この記事では、刑事告訴と何なのか、どういう流れなのか、もし刑事告訴された場合どうすれば良いのか等、分かりやすく説明します。
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刑事告訴とは?

刑事告訴とは、犯罪の被害者が警察や検察庁などの捜査機関に対して犯罪の事実を申告し、犯人の処罰を求めることをいいます。

刑事告訴されると、その事件について捜査が行われ、必要と認められた場合、犯人は逮捕や勾留されます。そして、起訴されて有罪判決がでると、刑罰を受けることとなります。

刑事告訴は、被害者が犯人を決して許さず、重い処罰を望んでいることのあらわれであるとも言えるのです。

刑事告訴できる人

刑事告訴ができるのは、被害者本人、被害者の親権者や成年後見人など法定代理人・被害者が死亡したときの配偶者や親族や兄弟姉妹など、法律上に定められた人です。

また、委任状があれば、上記以外でも、委任された代理人が告訴することも可能です。

法律上定められていない第三者は、どれだけ犯罪の事実を認識していても刑事告訴をすることはできません。

具体的な犯罪

さまざまな犯罪に対して刑事告訴されますが、特に多いのは、暴力などによる傷害罪や暴行罪、人を騙して金銭など騙し取る詐欺罪、不特定多数の人にわかるように人の名誉を棄損する名誉棄損罪や侮辱罪などです。

なお、名誉棄損罪や侮辱罪などの絶対的親告罪と呼ばれるものは、刑事告訴がなければ加害者を起訴できず、犯人に処罰を与えることができません。

さらに、傷害罪などの相対的親告罪についても、被害者と加害者が親族関係にあるなど、一定の関係がある場合は、刑事告訴がなければ起訴することができません。

刑事告発・被害届との違い

似た言葉として、「刑事告発」や「被害届」がありますが、以下のような違いがあります。

刑事告発は、被害者・犯人以外の第三者が、捜査機関に対し犯罪の事実を申告し、犯人への処罰を求めることを言います。

刑事告訴とは異なり、法律上定められた人物以外の第三者でも犯罪事実を申告することができます。

被害届は、単に被害者が警察などの捜査機関に被害事実を申告することを言います。

刑事告訴に比べると、そこまで犯人への重い処罰を求めるものではありません。

逆に言うと、被害届ではなく刑事告訴された場合は、被害者が犯人に対して重い処罰を求めているということが明らかとも言えます。

また、親告罪の場合、刑事告発や被害届の提出があるだけでは、加害者を起訴することができない点も、刑事告訴とは大きく異なるポイントです。

刑事告訴された場合の流れ

ここからは刑事告訴された場合の流れを解説します。

刑事告訴の受理

被害者が警察などの捜査機関に告訴状を提出し、それが受理されると刑事告訴の手続きが始まります。なお、告訴状を提出するとき、犯罪の事実を示す証拠があれば一緒に提出することができます。

ただし、受理されるのは適法な告訴状であり、提出したからと言って、必ずしも受理されるとは限りません。

例えば、告訴状の内容が不適切である場合や、犯罪の事実が特定されていない場合や、すでに時効が成立している場合などは、受理されないことがあります。

実際、専門知識のない被害者が、自分で適切な告訴状を作成し、受理してもらうことは難しく、ハードルが高いと思われます。

捜査開始

被害者から提出された告訴状が受理されると、警察の捜査が開始します。

犯人の特定や、証拠の収集や、家宅捜索などの捜査を行い、捜査が終了すると、事件の記録一式が検察官に渡されます。

なお、告訴状が受理されると、警察は必ず捜査しなければならないため、被害届などと比べると積極的な捜査が行われると考えられます。

必要であれば加害者を逮捕

捜査の結果、被疑者が特定され、逃亡や証拠隠滅の恐れがあるなど、必要と判断されれば逮捕されます。

基本的には、警察が裁判所に逮捕状を請求し、裁判所が必要と認めれば、警察が逮捕状をもって被疑者を逮捕しに来ます。なお、緊急を要する場合には、逮捕状なしで、「緊急逮捕」される場合もあります。

逮捕された後48時間以内に、被疑者は警察の取り調べを受け、検察官に身柄を送検されることとなります。

場合によっては、加害者が刑事告訴されたことを知らず、突然警察が来て逮捕されるという事も起こり得るのです。

勾留・取り調べ

検察官に身柄を送検された後、24時間以内に、検察官が被疑者を勾留請求するか判断します。

なお、逮捕されてから勾留が決定するまでの間は、たとえ親族であっても、面会や電話をすることはできません。

検察官が必要と判断すれば、裁判所へ勾留申請が行われ、申請が認められると、被疑者は警察の留置所で勾留されます。

勾留が決定した後10日間、最大20日間身柄を拘束されることとなります。

そして、勾留中も取り調べが行われ、供述調書の作成などが行われます。

勾留期間中の取り調べで警察に話した内容が、起訴・不起訴の決定に大きく関わるので、被疑者はかなり慎重に対応する必要があります。

起訴・不起訴の決定

勾留期間が満了になると、検察官によって起訴・不起訴が決定されます。

起訴されると刑事裁判が始まり、不起訴処分になると刑事裁判にならず、そのまま刑事手続きが終了します。

なお、この時点で刑事告訴を取り下げられているかが、不起訴処分にしてもらうのに非常に重要となります。

親告罪の場合は、刑事告訴が取り下げられれば、必ず不起訴処分となります。

非親告罪の場合は、刑事告訴が取り下げられても起訴される可能性が残りますが、不起訴処分が期待できると言えます。

また、いったん刑事告訴が取り下げられると、被害者は再度同じ事件で告訴することはできなくなります。

被害者との間で、刑事告訴を取り下げるという示談が成立していることが非常に重要なのです。

刑事裁判

起訴が決定すると、加害者は「被告人」となり、刑事裁判が始まります。

そして公判請求されると、被告人は身柄をされたまま、1ヶ月~2か月後に行われる裁判を待つこととなります。

公判では、証人調べや被告人への厳しい尋問が行われ、最終的に裁判官に有罪か無罪かの判決を言い渡されます。

そして、有罪判決になると、被告人は懲役・執行猶予・罰金、禁固など、いずれかの処罰を受けることとなります。

なお、犯罪内容が比較的軽微であった場合、検察官から公判請求ではなく略式請求される場合があります。

略式請求とは、検察官から裁判所に公判での正式な裁判手続によることなく、書面でのみ審理する特別な裁判手続きを求めることを言います。

書類のやり取りによる簡易的な裁判手続きのため、公判に比べて早期に終了するため、被告人の負担がかなり軽くなります。また、略式裁判で科される刑罰は、100万円以下の罰金もしくは科料のみです。

ただし、略式起訴での手続きであっても、前科がつく点には要注意です。

起訴されると、保釈保証金を支払うことで保釈申請することが可能となります。

この保釈保証金は、刑事手続きが終了すれば返ってくるので、早期に申請することをお勧めします。
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刑事告訴された場合に大事なこと

ざっくり流れを説明しましたが、実際に刑事告訴された場合どうすれば良いのでしょうか。

以下、重要なポイントを説明します。

不起訴処分にしてもらう

刑事告訴された場合、まずは不起訴処分を目指す必要があります。

なぜなら、起訴されて刑事裁判になってしまうと、高確率で有罪判決が出てしまうからです。

不起訴処分にしてもらえば、刑事裁判にならず、そのまま刑事手続きが終了します。

さらに、起訴されなければ前科もつかないため、加害者の不利益を最小限にすることができると言えます。

そのため、刑事告訴されたら、まずは起訴されないよう慎重に対応することが重要なのです。

刑罰を軽くしてもらう

もしも起訴されてしまい、刑事裁判で有罪判決が言い渡された場合は、なるべく刑罰を軽くしてもらう必要があります。

法律上、刑罰の範囲というのは、非常に広く定められています。

例えば、「死刑もしくは無期懲役もしくは5年以上の懲役」などの刑罰を聞いたことはないでしょうか。極端ですが、死刑と5年の懲役では、刑罰の重さがまったく異なります。

また、執行猶予付判決を狙うこともできます。

たとえば「懲役2年、執行猶予3年」という判決が言い渡された場合、3年間は懲役刑の執行が猶予されるため、犯罪をせず猶予期間を経過すれば、2年間の懲役刑を受ける必要はありません。

犯した罪の重さにもよりますが、有罪判決が言い渡されたとしても、減刑してもらえる可能性があります。

冤罪であれば無罪判決にしてもらう

万が一、身に覚えがない事件で刑事告訴された場合は、そもそも罪を犯していないことを主張して争う必要があります。

先述したように、刑事裁判になってしまうと高確率で有罪判決が出てしまいます。

免罪であれば、何としても刑事告訴を取り下げてもらい、不起訴処分を勝ち取る必要があると言えます。

刑事告訴された場合、被害者との示談が重要!

刑事告訴された場合、被害者との示談を成立させることが非常に重要です。

なぜなら、被害者と交渉して、示談が成立することで、加害者の処分が軽くなる可能性がぐっと高まるからです。

例えば、起訴される前に被害者と示談して刑事告訴を取り下げてもらえば、起訴されない可能性が高くなります。起訴される前に、被害者との示談を成立させることが重要なのです。

特に、被疑者が逮捕・勾留されている場合は、勾留期間の満了日までに起訴・不起訴が判断されるため、その満了日までに交渉をし、示談を成立させる必要があります。

また、起訴された場合でも、示談が成立すれば、被告人の保釈請求が認められる可能性があります。

示談の方法としては、被害者に謝罪し、示談金の交渉、刑事告訴を取り下げてもらうよう打診します。

ただし、加害者自身が被害者と示談交渉することは、あまり現実的ではありません。

なぜなら、被害者の連絡先が分からなかったり、加害者が身柄を拘束されており自由に動けないケースが多いからです。

さらに、刑事告訴をする被害者は、加害者を処罰してほしいという感情が強いことが多く、加害者自身が示談することは非常に厳しいと思われます。

弁護士に依頼することで、加害者の代わりに被害者と連絡をとり、交渉を行ってもらえます。

加害者本人が話をするより、確実に示談に持ち込める可能性が高くなります。

刑事告訴されたら弁護士に依頼すべき?

刑事告訴された場合は、直ちに弁護士に相談することをお勧めします。

先述したように、刑事告訴された場合の示談成立は非常に重要となります。

そして、逮捕や起訴を避けるためにも、なるべく早期に示談を成立させる必要があります。

刑事事件に精通し、豊富な知識と経験を有する弁護士に依頼することで、よりスムーズに示談を進め、加害者の負担を極力軽くすることができます。

また、弁護士に依頼すれば、警察などの捜査機関から取り調べを受ける際に、サポートしてもらえます。

「どのように答えればよいか」、「どのような対応をすればよいか」などの相談に対して、弁護士から適切なアドバイスをもらうことができます。

取り調べの供述内容は、起訴・不起訴の判断に大きく関わるため、対応については必ず相談するべきであると考えます。

また、勾留されてしまった場合でも、弁護士に依頼すれば、早期に身柄を解放される可能性があります。

例えば、勾留されるであれば、勾留を避けるための意見書を提出してもらうことができます。

また、勾留が決定したとしても、準抗告を申立ててもらうことで、身柄を解放してもらえることが期待できます。

弁護士に依頼した場合、たくさんのメリットがありますが、何より精神的な面で救われると思われます。自分には弁護士が付いてるというだけで非常に心強いはずです。
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まとめ

刑事告訴されたと連絡が来た、突然警察が来て逮捕されてしまった、刑事告訴されたことに身に覚えが無いなど、様々なケースが考えらえますが、基本的には、どのようなタイミングであっても、早急に弁護士に相談すべきです。

また、刑事告訴されていなくも、罪を犯した心当たりがあったり、疑いをかけられている場合などは、早めに相談しておけば、いざというとき適切な対応ができます。

トラブルなどで困ったときは、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

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    ABOUT US
    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
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